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合同会社鶴ヶ峰洗剤

更新日:2024.01.31

横浜で作り、横浜で使う 横浜の海をきれいにする洗剤
「よこはまの森洗剤」

合同会社鶴ヶ峰洗剤

合同会社鶴ヶ峰洗剤は、「横浜で作り、横浜で使う 横浜の海をきれいにする洗剤」「よこはまの森洗剤」を製造販売しています。
「よこはまの森洗剤」は、海洋での原油流出事故処理の技術を応用し、油を微生物が分解しやすい形にする「易生分解性洗剤」です。汚れの再付着防止剤技術により、すすぎゼロ洗浄を実現しています。水資源を節約でき、衣類の摩耗を抑制し、柔軟剤は不要で、毎日の洗濯で流出するマイクロプラスチック削減にも貢献し、家庭排水の環境負荷を低減する「環境保全活動につながる」洗剤です。

合同会社鶴ヶ峰洗剤

洗剤には、青森産のヒバ精油と横浜産青みかんの精油を配合しています。横浜青みかんの精油は自社にて丁寧に蒸留し、抽出後の皮は近隣の畑で堆肥になります。原料は横浜の土に還り、横浜の農産物の肥料となります。
洗剤は横浜市内での対面販売を基本とし、ガラス瓶による量り売りまたは3kgまとめ買いをお願いしていて、プラ容器の削減につなげています。対面販売を基本とすることで輸送時のCO2発生も抑え、プラスチック対策と地産地消によるサーキュラーエコノミーを実現しています。

2007年に横浜市保土ケ谷区で、代表の齋藤光洋さんが齋藤整骨院を開業した際に、アトピーに悩む患者のために肌にやさしい洗剤を探していたところ、有限会社がんこ本舗の洗剤「海へ…」に出会い、肌にやさしく、海をきれいにする高機能洗剤に共感し取扱いを開始しました。以降、齋藤さんのパートナーの麻紀子さんが運営する子育て支援団体「Umiのいえ」の運営と共に、がんこ本舗の洗剤を13年以上販売しています。

2011年の東日本大震災後、福岡に拠点を移転した「がんこ本舗」は、今や日本の洗剤使用量の1%を担うまでの規模になり、製品製造販売プロセス全体でのCO2削減のため、洗剤の地産地消を進める「地域洗剤®」プロジェクトを展開しています。
がんこ本舗より、「横浜の特産品から精油を取って、横浜市民向けのオリジナル洗剤をつくってみないか?」とUmiのいえ、及び齋藤整骨院に声掛けがあり、がんこ本舗の技術提供を受け、合同会社鶴ヶ峰洗剤を立ち上げました。

合同会社鶴ヶ峰洗剤

齋藤さんは、事業をはじめてよかったこととして、「横浜の水環境を守る仲間を得たことと、表面的なエコではなく、より広い視野での環境保全を意識する視点を得たことです。」と話します。

横浜のオリジナル洗剤を開発するにあたり、がんこ本舗から原材料調達の際に「精油のために新たに材料を『購入』してはならない」という条件が課せられました。つまり「廃棄物から価値を創出する」という挑戦的な課題です。
洗剤の主成分と相性が良い原料にたどり着くまで、1年以上にわたり横浜産のさまざまな農産物を調べたところ、農産物の有効活用を進めているアマンダリーナと出会い、横浜産青みかんにたどり着きました。また、果汁抽出作業を請け負っている障がい者の作業所ともつながり、精油抽出後の皮の引取り先を探すために、有機栽培に取り組む近隣農家とも出会うことができました。

斎藤さんは「高いハードルを越える苦労はありましたが、それ以上にさまざまなご縁がつながり、『地域循環の輪』は、顔の見えるお付き合いで巡っていることを実感しています。地道に足を運んで、天候に左右される農産物と共に向き合うことで信頼関係を築いております。」と話します。

鶴ヶ峰洗剤では、顧客の洗剤購入後も、顧客ごとの汚れに合わせた使い方を提案するアフターフォローに力を入れていて、「顔の見えるお付き合い」を大事にしています。商品の理念を深く理解し、共感した事業者が「量り売りステーション」として、名乗りを挙げてくれることもあるとのことです。

齋藤さんはさらに、「食器洗いや洗濯のように『毎日やること』が環境に与える影響は大きいものです。汚れが落ちる仕組みや分解してくれる微生物と共生できる選択をお伝えし、『ガラス瓶を使う』『すすぎゼロで洗う』という行動変容につながるよう、マルシェでの洗剤実験販売を、今後も継続していきます。」

「一般家庭のほかにも、洗濯の多い美容院・助産院・保育園などにもお伝えしたい。よこはまの森洗剤は食洗器との相性も良いため、近隣の飲食店にも広めたい。有機農家と契約している食堂に使ってもらい、精油抽出後のみかん皮をその農家さんに引き取ってもらう、といった循環が回ればうれしいです。将来的には、大量に水を消費する事業者にも活用してもらいたいです。」と話します。

齋藤さんは最後に、「量り売りステーションを市内に増やし、仲間が増えていくことで、横浜の海がきれいになる未来が近づきます。たとえば全ての駅に量り売りステーションがあり、一定規模を超えたら、みかんの皮から堆肥とメタンガスに分離できる発電設備を導入できれば…と夢は広がります。サーキュラーエコノミーのためのよこはまの森洗剤+農業+街づくりの可能性を広げていきたいです。」と締めくくりました。

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